合同展示会を訪れると、年々ライフスタイル関連のブースが増えている。コスメに日用雑貨など、サステイナブル（持続可能な）かつ新しい切り口を持ち、パッケージも洗練されたものが多い。
ブース担当者と名刺交換をする際、「繊研新聞はファッション業界向けの業界専門紙で」と媒体説明から入ると、「知ってます。自分、元アパレルなんで」と返ってくることが度々だ。この業界で培ったデザインセンス、ブランディング力、セレクトショップなど感度の高い販路への知見や人脈が、異業種でも生きるということだろう。
転職を決めた背景は分からないが、勢いある市場にチャンスを感じる気持ちは分かる。ただ、残っていれば各企業の中枢で活躍していたであろう方々が多いだけに、惜しいなとも思う。
人材と言えば、24年問題で揺れる運輸業界で、ドライバー確保のため、アパレル業界と飲食業界にロックオンし、高待遇でスカウトに入っているとのうわさを聞いた。様々な階層で、人材流出をいかに防ぐか。企業や業界の未来のために一層大きな課題となりそうだ。
（維）
