今春開業したアウトレットモール併設型商業施設がよく売れているそうだ。ある有名ブランドは、開業2カ月で売り上げが数億円だとうわさされている。
「やっぱりお客さんは安く買えるところで買い物を楽しみたいのかなぁ」と某セレクトショップ代表。記者もたまにアウトレットに行くと、お買い得品を確かめようと、ふだん行かない店にまでつい足を伸ばす。
一方で、「服のコストパフォーマンスが良いのはもう当たり前。今はコスパの概念が変わってきた」とある新興企業の代表。必需品はネットも活用して安く便利に買うかもしれないが、「本当に欲しい」と思ったものにはお金を惜しまない面もあると指摘する。「例えばカプセルトイがそう。好きなジャンルや欲しい中身があるならば、いくら費やしてもいいと思う人がいる」と話す。
アウトレット店舗に配属される店長は、どこも優秀な人材が多いと聞く。多様な客層の立地で、大きな売り上げを維持・拡大するには通常店とは異なる発想も必要だろう。〝買い気〟がある環境だとは思うが、「安い」だけでなく、「欲しい」と思わせる仕掛けやヒントも、店作りの中にたくさん詰まっているのかもしれない。
(畔)