パネルディスカッション・ウェビナーのモデレーターを担当することがある。ウェビナーに向けて、登壇者に関する情報を頭に入れつつ、問答を想定する。収録数日前には、オンラインミーティングで登壇者を交えて、おおよその進行を確認する。しかし、本番当日は想定通りにはいかない。
序盤は互いに組み合うロックアップから始まり、それぞれの登壇者の得意技といえるシグネチャー・ムーブを引き出すことを念頭に〝試合〟を進行する。しかし、〝技〟が鮮やかに決まらない時もある。そんな時、モデレーターはアドリブを入れる。すると場はたちまち熱を帯びてくる。本音が飛び出し、ピリついた空気が覆うようになる。〝鮮血〟が飛ぶ場面もあるが、業界で百戦錬磨の登壇者らは大けがをしないギリギリで受け身をとる。そして、60分1本勝負の大団円を迎える頃には不思議な一体感が生まれている。
収録後は互いに「あの発言は効いたよね」「大ぶりのパンチが飛んできて肝を冷やしたよ」「次に何がくるのか冷や汗ものだったよ」と最善手や悪手の感想戦が始まる。ウェビナーは視聴するより、参戦する方が断然面白いはず。弊社から要請させて頂いた際には是非ご登壇頂きたい。
(民)