《視点》SBNR

2023/01/17 06:23 更新


 「SBNR」という略語をご存知だろうか。Spiritual But Not Religiousの略で、直訳するとスピリチュアルだが宗教的でないという意味。無宗教型スピリチュアル層とも呼ばれ、米国のシンクタンクによると、米国の成人の約4分の1がSBNRに分類されるという。

 ヨガや冥想(めいそう)の実践、スピリチュアルな旅といった個人の試みが挙げられ、日本では地方のインバウンド(訪日外国人)観光活性化の観点から、この層に熱い視線が注がれている。

 翻って日本では、消費に消極的になる中で、スピリチュアルな要素が背中を押す事例を聞くことが増えた。開運日に絡めた財布の提案はラグジュアリーブランドにまで広がり、百貨店では鉱物の催事が活況だ。南米の香木パロサントが「浄化」という意味合いも含めて流行するなど、どうせ買うなら運気が上がる(とされている)もの(日)を選びたいという消費者心理がうかがえる。扱いが難しい現象だが、見逃せないのは確かだ。

(金)



この記事に関連する記事