《私のビジネス日記帳》海外はミックス戦略で プリモグローバルホールディングス社長 澤野直樹

2025/08/13 06:25 更新NEW!


 日本は少子高齢化で、婚姻組数が年々減少しています。ブライダルジュエリー市場がレッドオーシャン化する将来を見据え、早い段階で海外に行こうと考えたのが06年。6月に私と藤江(現プリモ・ジャパン社長)で2泊3日の台湾視察に行きました。市場調査をすると、商品にスタッフの対応、価格、全てうちの方が良いなと。台湾は親日で温かい方が多いため、僕らの教育を注入すれば成功できると確信しました。

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 翌週にはプロジェクトチームを発足。スポンサーであるファンドにプレゼンし、07年に台北で1号店を開きました。その後、4~5年おきに香港、中国、シンガポールと進出。社歴が長い台湾や香港のマネジャーが積極的に中国や東南アジアに行ってくれます。こういう〝人財〟が揃ってきたのは強いです。

 どの拠点でも、商品とサービス、おもてなしの部分は一切変えません。売り上げのインセンティブを個人でなく、チーム制にしている点も同じです。一方で販路は日本が路面、台湾が百貨店、中国がモールと現地に合わせました。広告宣伝も現地の商習慣をよく理解する必要があるので、マーケティングトップは必ず現地採用です。

 ただ、プリモイズムを伝えるにはどうしても日本語が必要なので皆日本語検定1級レベル。郷に入れば郷に従う部分と従わない部分をミックスした戦略が、うまくいくポイントだと考えています。

 今は来春にもマレーシアに1号店を開くべく動いているところ。10カ国・地域くらいはいきたいですね。

(プリモグローバルホールディングス社長 澤野直樹)

 「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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