23年春夏レディスコレクションは、カジュアルな定番服が有力トレンドとなった。白いタンクトップやGジャンに、デニムパンツやカーゴパンツ。それは拍子抜けするほど普通の服だが、なるほど今の気分がうかがえる。
まずはシルエットが今っぽい。上半身はぴったりフィットかクロップト丈、ボトムはダボッとしたローライズ。体のラインが見え隠れし、健康美が感じられる。筋トレ人口は年々増え、ランニングやヨガを欠かさない人も多い。心身ともに健康であることが重視されるなか、ラフで軽快なスタイルは時代にフィットしていると言える。
こういったスタイルは、00年前後に流行したY2Kファッションの一つでもある。Z世代に人気のY2Kがこれほど広がったということは、多くのブランドが若い世代に徹底的に訴求しようとしている表れでもある。色や素材の変化でブラッシュアップしたデザインも多かった。
コロナ禍以降、たんす在庫のデイリーウェア比率は高まっている。古くて新しい定番服は、改めて注目だ。
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