《めてみみ》セール再考

2026/07/02 06:24 更新NEW!


 多くの商業施設で夏のセールが始まった。先週末の6月26日からセールを始めていた地方都市の百貨店、ファッションビルを回った。立ち上がったばかりなのに、午前中の人影はまばら。午後になって少し人出は増えたが、かつてのような活気にはほど遠かった。今更ながらセールの集客力の低下を実感した。

 初日の開店前は行列が出来るのが当たり前だった時代があった。販促経費を掛ける最も大きな集客イベントであり、セール告知のテレビCMも盛んに流れた。欠品を防ぐためか、追加生産した〝セール玉〟を投入する店も多かった。こうした取り組みが、セール頼りのMDを後押ししたのかもしれない。

 在庫過多が顕著になってきたからだろう。90年代後半からアウトレットモールができ始める。同時期からECモールも広がり、セール開始を待たずに値下げ品を買えるようになった。コロナ禍ごろからオフプライスストアも台頭し、通常の商業施設のセールに対する特別感は薄れてきたように思う。

 アウトレットやオフプライス以上の値引きを打ち出せば、一時的な集客は可能かもしれない。しかし、作り手も売り手もプロパー販売の強化へとかじを切っている。セールは在庫処分に徹し、来館、購買動機を高めるセール以外の価値提供をディベロッパー、テナント双方で生み出す時期に来ているように思う。



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