《視点》ブライダル

2022/11/02 06:23 更新


 コロナ禍に入ってからの金地金の高騰、ウクライナへのロシア侵攻を背景にしたダイヤモンドの高騰に加え、急激な円安も受け、ジュエリー資材の原材料高が続いている。秋までにほとんどのブランドで値上げが実施されたが、「影響はあまり無い」と口を揃えるのは、ブライダルジュエリーの専門企業。ほぼ一生に一度の買い物のため、前年比などでの価格の比較をされにくいというのが大きな理由だ。ただし、コロナ禍による婚姻数の激減は売り上げに大きく響いている。また、国内企業においては、思わぬ形で海外のハイブランドにシェアを奪われている点が悩ましい。披露宴や海外への新婚旅行を諦めた分、ブライダルリングくらい奮発しようとなり、これまでは敷居が高かったメゾンをのぞいてみようというカップルが増えた。

 そのブランド力に対抗するのはなかなか難しいところではあるが、一方で、クリエイター系ブランドのブライダルは好調とも耳にする。セミオーダーを軸としたブランドも比較的堅調だ。当たり前ではあるが、カップルが何に重きを置くのかによって、選ばれるブランドは違ってくる。改めて、強みを明確にして、支持される層へ発信しなければならない時代なんだなと感じる。

(維)



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