3月から来春の新卒者を対象とした企業説明会などの受け付けが始まり、企業の採用活動と学生の就職活動が本格的に始まった。コロナ下でもIT系や家電、物流など採用を増やす業界もあるようだが、ファッション業界は採用数を抑える企業が目立ち、学生にとって厳しい状況が続いている。
採用抑制の背景にあるのは、業績不振による店舗網の縮小、適正人員の見直し、コロナ下での離職率の低下など。業績予想の下方修正も目立ち、経費節減の一環で人件費や採用経費を抑える企業が増えている。採用計画が固まらず出足が遅れている企業もあり、3月より前に早期選考を行う企業が減り、全体に後ろ倒しの傾向がみられる。2月までに内定を出した企業は激減しているという。
学生側も、倒産や店舗閉鎖が多いファッション業界を敬遠する人が多くなっている。一方で22年卒は服飾専門学校出身でも、採用数減少の影響で業界に就職できない学生も増えているそうだ。
散々な状況に見えるが、逆に「企業も学生も今から動いても遅くない。中小企業は規模や知名度に関係なく選んでもらえる好機」との声も。企業には将来への投資と考え、少人数でも採用してほしいものだ。
(陽)