《視点》チェンジとトランスフォーム

2022/03/02 06:23 更新


 「チェンジ」「トランスフォーム」はいずれも「変える」という英単語だが、意味合いはかなり異なる。チェンジは最も一般的に「変える」という意味で使われ、トランスフォームは「一変する」「根底から変える」という意味合いを持つ。

 昨今の流行語になっているSDGs(持続可能な開発目標)は、15年の国連総会で採択された「Transforming our  world : the 2030 Agenda for Sustainable Development」(我々の世界を変革する・持続可能な開発のための2030アジェンダ)に記された具体的な目標だ。ここで〝変革〟と仮訳されている単語が、チェンジでなくトランスフォームであることに大きな意味を感じる。

 社会全体で取り組みが盛んになっているSDGsだが、現状では既存の事業やイベント、物作りを、環境や社会に配慮する方向へとチェンジしたものが多いようだ。もちろん、チェンジすることも大きく、大切な一歩。だが、本来の意義を考えたときに、既存の延長線上にない大胆な変革が目標達成のために求められていることも、心に留めておきたい。

(壁)



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