グローバルで商売している副資材メーカーによると、昨年末から今年にかけての欧米の年末年始商戦への期待感は「想定以上に高かった」という。
19年は暖冬や米中貿易摩擦、20年は新型コロナウイルスの感染拡大と、2年連続で消費が大きく落ち込んだ。21年はその反動と、ワクチン接種が浸透したことで、中国やアジアなど主要縫製地への発注が早期化したという。「商機を逃すまい」という機運が高まったようだ。
オミクロン株が流行している足元の消費も「影響は限定的」で、回復基調は続くと見る。各国で経済活動を停止するロックダウン(都市封鎖)までは実施されておらず、ECもかなり浸透しているためだ。
一方、来秋冬は不透明だ。昨年の年末商戦では、港湾の混雑とコンテナ不足によって、店頭に商品が間に合わないケースが頻発。予定通りに陸揚げされていない「洋上在庫」が相当量発生しているからだ。「在庫が実際にどれくらい供給・消化されたのかをまだ把握しきれていない」といい、危機感も強い。
(藤)