自分の誕生石をあしらったジュエリーが一つはあってもいいかと、最近気になっている。特にリング。これまでは、ファッションのコーディネートとマッチしづらい色かもと思い、特に欲しいと思わなかった。
ファッションジュエリーブランドに売れ筋を尋ねると、コロナ禍が始まり、まずはリモート会議で映える耳回りアイテムやネックレスがヒットしていたが、最近、リングの動きがいいと聞く。パソコンをたたく自身の手元にお気に入りのリングがきらめくことで、気分が上がる。そんな気持ちが背景にある。人の目を意識したものでなく、自分の心を楽しませ、癒やすアイテムとして需要が伸びているというわけだ。
誕生石をはじめとする色石も、石の持つ様々な意味合いから、お守り的な要素を感じ取って支持される流れが強くなっているという。意識せずとも、自分の物欲の方向性も、どうやらこの流れにマッチしていたのかもしれない。
不要不急のぜいたく品として、ジュエリー売り場はこの間、休業要請が長引くなど、厳しい状況下にあった。確かに必需品ではないが、古来から勇気を与えたり、思いを込める品として人の心に寄り添い、愛されてきた歴史もある。気持ちの曇りがちな今だからこそ、求められるアイテムだと改めて感じている。
(維)