《視点》紡績企業の繊維事業

2021/06/09 06:23 更新


 紡績会社の決算発表が済んだ。紡績会社とはいえ、大半は繊維事業の収益が全体のほんの一部に過ぎない。連結売上高が初めて1兆円を超えたダイワボウホールディングス(HD)は、売り上げの9割がITインフラ関連。繊維の売り上げは全体の6%だ。

 ほかはシキボウが53%、クラボウは35%だが、富士紡HD19%、日清紡HD7%、日東紡3%。いずれも日本国内市場向けの素材販売に偏り、近年は事業の縮小が顕著。そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。5年前と比べると大半の企業の繊維売り上げが半減した。

 これまでも国内生産拠点の縮小や撤退が見られたが、さらに合理化の動きが出てきそうだ。最近の動きだと、オーミケンシは繊維のほとんどの事業から撤退。富士紡HDは肌着製造の子会社を合併するなど組織再編を実施。日東紡は22年3月末に原糸事業から撤退する。

 祖業が繊維なだけに不採算だから完全に撤退するという判断は考えにくい。ならば、縮小均衡だけでなく、今後何で生きていくのか、そして反転攻勢をかけるのか。

 あるいはオーミケンシのような決断をするにしても繊維事業で培った資産をどう生かすのか。よりシビアに考えなければならないし、その姿勢が鮮明になっていると感じる。だからこそ各社の繊維事業はこれから個性がより際立ってくるのではないかと関心を持っている。

(嗣)


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