《視点》種明かしと独自性

2021/02/26 06:23 更新


 SNSを通じて情報が広く、早く伝わるようになり、ファッションの情報発信も変わった。先日、あるバイヤーを取材した折に、そのことを改めて感じた。

 そのバイヤーは今、手の内を見せることを意図的にやっている。「入社したころは『バイヤーは爪を隠すものだ』と教えられたが、今は違う」。仕入れの段階から、店頭に商品が並ぶまでの過程をネットで魅力的に伝えることによって、消費者の関心を集める工夫をするようになったそうだ。

 主力商品は、作り手の話を詳しく聞いて理解を促すだけでなく、バイヤーの主観的な捉え方も織り交ぜて、オリジナルストーリーを組み立てるようにもしている。ブランドのコンセプトやデザイナーの思いはそのまま生かし、消費者の興味をいかに引くかという視点は自身で創意工夫しているわけだ。

 ネットを使って調べれば、誰でも、どんな商品でも、一通りの情報は簡単にすぐわかる。どんな商品か伝わるよう、仕入れのプロセスからあえて見せるのも、そうした変化に沿ったものだ。ただ、商品をどう捉えているか、バイヤーの独自の目線を添えている点で他と違う情報に仕立てている。そこを大切にするから「あの店で買いたい」というファンが増やせるのだろう。

(畔)


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