《視点》ヒントは常識の中に

2020/10/13 06:23 更新


 先週の日曜日の朝、ふと目にしたテレビ番組に感心させられた。そのテレビ番組は、ビジネスのちょっとした工夫で業績を改善した事例などを紹介する番組だ。

 その時紹介されていた企業は豆腐の相模屋だった。簡単に話の内容をまとめると、豆腐の業界はファッション業界と同じく閉塞(へいそく)感のある状況らしく、例にもれずに相模屋の売り上げも芳しくなかったという。そんな中、社長の娘婿がその会社を継ぎ、売り上げを倍増させた。その婿社長がしたことは業界の常識を疑うこと。

 これまで豆腐のパックは冷やして製品化することが常識だったが、それが味の劣化につながっていた。そこで、温かいままパック詰めするホットパック製法を開発。味が良くなるだけでなく、日持ちも良くなり、これまで販売できていなかった地方にまで売れるようになり、売り上げは倍増したという。

 コロナ禍でどこの企業も「このままではいけない」という思いがあるだろう。思いがけないブレイクスルーは当たり前の中にあるのかもしれない。

(海)



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