最近、ニュースなどでよく目にするのが〝フードテック〟という言葉。食品業界で、テクノロジーとの融合によってイノベーションを起こそうという動きが世界的に加速している。
なかには植物を原料にした代替肉、3Dプリンターを活用した料理、昆虫食など一見ぎょっとするような話題も少なくないが、無印良品が5月に発売したコオロギせんべいがヒットするなど徐々に身近になりつつある。世界の人口増加や食糧危機、ビーガンの広がりなど、さまざまな背景がフードテックを後押ししているようだ。
繊維ファッション業界でもテクノロジー活用が注目されているが、〝ファッションテック〟の言葉だけが先行し、まだまだ実装が追い付いていないと感じる。
導入のポイントは「何のためにテクノロジーを使うのか」という出発点だろう。直面している問題を解決する、というゴールをきちんと見据えなければ、テクノロジー活用が手段ではなく、目的になりかねない。過剰在庫、環境への負荷、労働者の保護など、繊維ファッション業界が解決するべき課題は山積みだ。
(恵)