《視点》20入社

2020/06/30 06:23 更新


 今年の春は新型コロナウイルスの影響で、ファッション業界でも入社式を中止や延期にしたり、規模の縮小、ウェブ配信など例年と違う形で実施した企業が多かった。新人研修もリモートで行う企業が目立ち、入社したのに会社に行けず、実感が薄いという新人さんも多かったようだ。

 あるアパレルメーカーも約2カ月、テレワークで新人研修を実施。普段なら入社後すぐ現場を回るが、「エクセルやワードなどパソコンの使い方を基礎からみっちり習得してもらう良い機会だった」と同社の社長。

 ほかにも「3分で会社の魅力を紹介」「コロナ禍で何が売れるかを考える」などをテーマに、プレゼンテーションを競う研修などを実施。「発想が豊かで、いろんなアイデアが出て面白かった」と同社長。毎日、全員で研修を受け、意見を交流したので、同期の仲も良くなり、〝現場ではできない〟内容の濃い研修は、新人にも好評だったそうだ。

 20年入社組は「いつもと違って可哀想」との声をよく聞くが、違う環境だからこそ、工夫を凝らした実のある研修を受けられた新人さんも多いはず。現状を悲観せず、元気に活躍してくれることを期待したい。

(陽)



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