《視点》旅行がバロメーター

2020/06/24 06:23 更新


 コロナ禍の影響でトラベル関連品の市場が非常に厳しくなっている。2カ月以上にわたって外出自粛が続き、旅行する人はほぼいなくなり、旅行に関連する商品を購入する動機がなくなってきたためだ。取材したバッグ専門店ではスーツケースを主力とするトラベル関連は落ち込みが大きく、秋冬も期待できない。特にスーツケースは動きが止まっており、在庫が急増しているという。

 実際、6月19日に国内移動が解禁になったが、引き続き感染対策の徹底が言われ、旅行には慎重な人が多い。海外旅行は年内は困難な見通しで、第2波、第3波が懸念されていることもあるため、少なくとも年内は旅行需要が大きく回復するとは思われない状況だ。

 考えてみれば旅行に関連する需要は大きい。旅行そのものだけでなく、準備のための支出も大きく、持ち物や着る服などの需要も引き出させる。その意味でも旅行はファッションビジネスを支える有力な要素のひとつだ。マスクをして常に感染におびえる生活が続くが、早くコロナ禍を克服し、感染を過分に意識せず普通に暮らせる状況に戻ってこそ旅行が復活しファッション市場も復調するのだろう。旅行はファッション市場復調のバロメーターとも言えそうだ。

(武)



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