《視点》服地ビジネスの変化

2020/06/10 06:23 更新


 緊急事態宣言の全国的な解除を受け、服地コンバーターの素材商談がようやく動き始めた。この数カ月間、ガーゼ素材の需要は活発だったが、市場の休業ムードで、「足もとの今夏向け現物素材の販売が止まっていた」という。今秋冬物も数量の見直しや出荷の見合わせ、新規企画投入の見送りなどアパレルの生産調整の影響を受け、各社とも業績悪化は否めない。

 今後も企画や商談の遅れが見込まれるが、店頭の営業再開に伴って「従来以上の期中・期近対応が求められる」との指摘がある。必要な素材を常備する機能や産地とのネットワークによる小ロット短納期対応がアパレルの安心感を生み、商談で強みを発揮しそうだ。

 また、在宅勤務の広がりがオンラインツールの活用を促進した。SNSやZoomを取り入れた素材提案が効果を上げ始め、自社サイトの刷新でもシーズンマップの充実やSNSとの連動が重視された。ツールは商談時間の短縮や出張コストの軽減など効率化に役立ち、「新規開拓の機会も広がる」とみる。

 新型コロナの影響が服地業界にもビジネススタイルの変化を求めている。

(阿)



この記事に関連する記事