サステイナブル(持続可能)な動きが高まる中で、「過剰在庫を減らす」と盛んに言われている。しかしこの解決は難しい。なぜならばアパレル業界が見込み生産と品ぞろえ販売の複合型だからだ。
「注文を受けてから生産する方式」にでも販売方式が変わらなければ、過剰在庫の元である流通在庫と店頭在庫を減らすことは難しい。「魅力ある売り場作りには、差し色的で消化率が低そうな商品も並べる」という考え方が第一。また仮に、必要な商品を在庫レスで作るとなると、素材調達から生産まで一貫の仕組みを自らが持たなければならないからだ。生産を外部委託し、生産基盤が海外にシフトした現在、この仕組みの構築は非常に難しい。
現実的な解決策としてあげられるのは、在庫機能を持つ卸売業、すなわち問屋からの仕入れを利用することだ。在庫を常に持つ問屋は、在庫のコントロール能力が高いからだ。すでに定番商品と銘打って過剰在庫の解消を訴える企業もある。サステイナブルを推進するには、現実的な解決方法を模索するしかないのではないか。
(浅)