《視点》実需とリアル店の価値

2020/02/28 06:23 更新


 「実需」という言葉を身近に実感した出来事があった。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、マスクやアルコール除菌関連商品が品薄で、ほとんど手に入らないという状況が続いている。

 1月の終わりごろ、古くからの友人と食事をした。彼はまだマスクすらしておらず「そんなに恐れなくてもね」と気にもしていない様子だった。しかし、先日再びその友人と会うと、マスクに除菌シート持参という完全防備。理由を尋ねると「死者も出たし、怖くなった」と言う。

 命にかかわるようなことでも、身近に実感しないと購買に至らないなら、衣料品もジャストニーズでないと売れないのは当たり前かもしれない。

 一方で、人間のこの心理は、うまく購買意欲を喚起できれば逆に売りやすいのではないかとも思う。ECでは、売り手から能動的に消費者に需要喚起は難しい。やはり、リアル店で接客やイベントなどを通していかに購買意欲をかき立てるかが重要で、そこにチャンスがあるのではないだろうか。

(海)



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