「小売店は商品を置いているだけでは集客するのは難しい」と、あるメンズカジュアルメーカーの社長が話す。ショップが充実していても、服や靴のサイズを分かっているとつい手軽に購入できるECで買い物をしてしまう。友人の家にも「アマゾン」や「ゾゾタウン」の段ボールが部屋に置いてある。
ECにはないリアルショップの魅力を出すことと、人手不足への対応が小売店の課題だ。その社長は小売店の力になりたいと、店の売り場づくりもサポートしている。1月の展示会ではITを活用したユーモアある販促サービスを提案していた。店に置いてあるとつい試したくなり、購買意欲の向上にもつながると考えたそうだ。人手不足の小売店には接客の負担軽減にもつながるアイデアだ。毎回の展示会取材を通じてアパレル業界を復興させたい思いを強く感じる。
さらに社長は「小売店だけでなくメーカーも協力し、売り場づくりに関与していく時代」と語る。店が活性化するには、創意工夫し、人の関心を引き付けるようなサービスを考案し続けることが近道になるはずだ。
(悠)