上場企業の社長交代。引き継ぎのきっかけを尋ねると「会長から、そろそろ無理がきくかなと声がけがありまして」と新社長。2児のパパだ。おチビさんたちは4歳と6歳。この3年半、趣味のゴルフも封印し週末は育児に携わってきた。「3歳になるくらいまでは、突発的なはやり病で数日間お休みなんてことがしょっちゅうですし。休日も、2人を1人で見るなんて物理的に無理。ゴルフなんて行ってたら、家庭内で戦力外通告されてしまいますよ」。
そんな様子を、ファミリー経営である会長も見ていたということだろう。下も4歳になれば、意思疎通もでき、体も丈夫になってくる。
同族企業という点も大きいが、少し時代が変わってきたと感じる。10年前なら、役員ともなると、子育ては妻に任せきりなケースが普通だったように思う。
女性の活躍を望むなら、性差無く育休や時短が取得しやすく、なおかつ子供のあるなしにかかわらず長時間労働を削減する取り組みが進まないと、根本的な問題は解決しない。それを考えると、子育ての大変さを体感している経営者が増えるのは、とても心強い。
(維)