世界陸上連盟が「使用禁止にするのでは」と話題になっているナイキの厚底ランニングシューズ。年始の箱根駅伝では8割の選手が着用し、過去の競技会では見たことのないほど皆同じピンクの靴を履いていた。
以前はドロップ差(かかととつま先の差)が少ない薄底のシューズが「スピードが出て、上級者向き」とされていたが、その定説は完全に覆されたようだ。
スポーツでは時代によって、競技上の様々な規制、ルールが変更されることはよくある。以前には新記録を連発した競泳水着が使用禁止にされたり、ゴルフや野球でも「飛び過ぎボール」が問題となった例もある。
しかし、製品の品質向上はメーカーの本分。各社とも自社製品の機能性、付加価値を高めることに全力を挙げている。
各競技の規定は時代の変化に合わせて見直しが必要だろうが、選手の健康を害したり、競技に危険性があるというもの以外に、過度な規制は技術革新の妨げにもなる。新しい技術を開発しても「記録多発なら規制」では、開発者の意欲も減退するだろう。
(茂)