この秋冬の商売が厳しい。「リーマンショック直後と同じくらい悪い」と話す経営者がいる。
世界的な暖冬のほか、様々な要因が重なっている。昨年は日韓情勢が悪化して、中国に次ぎ多い韓国からの訪日客が8月以降は半減が続く。9月は消費増税前の駆け込み需要は一定あったが、増税後はそれ以上に消費が落ち込んだ。10月の台風19号などの自然災害で臨時休業を余儀なくされ、消費マインドは低下した。
世界経済の懸念材料も先行きが見えない。米中貿易摩擦やブレグジット(英国の欧州連合離脱)、米国とイランの軍事的緊張などで心理面での不安も引き起こしている。
そして新型コロナウイルス感染の拡大が追い打ちをかける。中国政府は海外への団体旅行を当面禁止した。春節休暇のインバウンド(訪日外国人)を見込んでいた百貨店などにとっては影響が大きくなるだろう。ただし、これらはあくまで外的要因にすぎない。
冒頭に紹介した経営者は「内的要因も必ずある」とする。厳しい局面だからこそ、外的要因を言い訳にせず、課題を徹底的に洗い出すことが大切だと考えている。
(藤)