イオンモールの新社長が発表された。ベトナム事業の責任者、岩村康次取締役が3月1日付で就任する。
吉田昭夫社長がイオン社長に就くことに伴うものだが、急展開であったのは間違いがなさそう。岩村氏はベトナムに従来なかった広域型SCを根付かせることに力を注いでおり、19年12月、ベトナム5施設目となるイオンモールハドンの開業に際しては、「25年には20モールが望める」とベトナム事業の拡大が発言の中心。何よりハドンの仕上がりにのぞかせていた自信が印象的だった。デジタル技術の活用、随所に広場を配置した設備ばかりでなく、スポーツ、生活雑貨など整然としたゾーニングは「テナント企業の理解が進んだ」と胸を張る。
イオンモールにとってベトナムは拡大の最重点となったが、条件を整えてきた岩村氏がその実現を担い、国内事業を含めた全社を率いることになった。国内事業を取り巻く環境に課題は少なくないが、これまで維持している勢いをつなぐことも求められる。そういえば吉田社長も中国事業からの昇格だった。2代続けて海外の成長市場で培った力を全社に生かす。
(光)