都心の百貨店の婦人靴売り場では、昨年から続くスニーカーの勢いが止まらない。今年、スニーカーの売り上げが2ケタ増で推移している店もあり、パンプスの消費が低迷する売り場を下支えする存在となっている。
トレンドではストリートスタイルが一段落し、まだ続くのかという印象がある。しかし、一般的には「年配者など今までスニーカーと縁のなかった層にも幅広いシーンで着用できると認知された」段階らしい。加えて、通勤スタイルの多様化がその消費を押し上げる。そこで「上質感のある大人のスニーカーを履きたい」と考える人は少なくなく、今年は2万~3万円台、6万円台で需要の山もできた。
パンプス以上に高単価なものも売れるので、今後の商品構成を見直そうとする売り場もあるだろう。一方で、規模は小さくても、適正価格できれいな形のパンプスやショートブーツを揃えて実績を上げているブランドも存在している。まずは自分たちが売りたい相手を明確にすること、その上で説得力のある商品を揃えることに尽きる。
(渉)