パチンコ機が「特許の塊」と称されているのをご存じだろうか。なんでも、機械装置や演出方法、計数機など1台に付き、およそ100件の特許項目が使われているらしい。様々な特許技術はユーザーがパチンコを快適に楽しむことにつながっている。
先日、知的財産権を複数保有している知り合いのアパレルメーカーの社長が初めて弁理士を訪ねた。これまで、自分で書類の準備や申請をしていたが、企業としてプロからアドバイスをもらい、本格的に権利を保護していくためだった。
だが、答えは「ノー」。その弁理士は既に他産業のことで手いっぱい。そもそもアパレル関係を扱ったことがないらしい。アパレルに強い弁理士を紹介してくれと言っても「いない」と言われたそう。都心ならばもう少し事情は違ったかもしれないが、ファッション業界全体の知財権への意識の低さを垣間見た気がする。
パチンコメーカーの特許は結果的に新規参入を難しくし、会社を守ることにつながっている。ファッション業界が学ぶべきところもあるだろう。
(森)