《視点》中国市場の節目

2019/10/04 06:23 更新


 中国で9月下旬に開かれた素材見本市のインターテキスタイル上海アパレルファブリックスやヤーンエキスポ、アパレル・雑貨見本市のCHICを取材した。秋を感じさせる空気のなか、もう一つの彩りとなったのが五星紅旗の赤い色だ。主要道路や地下鉄駅構内、滞在したホテルのロビーまで中国国旗の赤い波が覆った。

 10月1日は中国の建国記念日に当たる「国慶節」。今年は70周年の節目で、例年以上に祝賀ムードが高まり、国旗があふれたようだ。この連休を目前にした見本市とあってか、来場するバイヤーは直近に比べて少なく感じられた。何より米中貿易摩擦の影響が経済や投資に及び始め、消費の急速な冷え込みも心配になってきた。

 ある日系企業は「来場者数が少なく、期待した成果が得られなかった。次回は見合わせるかも」と明かした。日本製生地や日本ブランド製品の販売先として改めて注目が集まる中国市場。規模は確かに大きいが、これまで以上に自社の製品に磨きをかけ、売り込む力が必要になってくる節目を迎えている。

(近)



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