アパレル市場でのサステイナブル(持続可能性)への関心の高まりに対応し、服飾副資材業界でも環境負荷を低減するパーツの開発と発信が活発になってきた。ファスナーや樹脂ボタン、ネーム類、テープ、縫い糸、包材、ハンガーなど様々なアイテムが揃ってきた。環境配慮型資材の国内市場への定着は、先進的な欧米市場に比べて「関心は広がっているものの現実的にはコスト優先で難しい」と見られてきた。だが、今年に入って有力SPA(製造小売業)や量販アパレル、大手小売業のPBなどで引き合いが強まり、「潮目が変わってきた」。
商談では「とにかく環境対応をうたえる資材」が求められ、「方向性や基準がブランド内で定まっていない」とする指摘も多い。また、「レディス分野を中心に依然としてコスト意識が根強い」など、需要にはばらつきがあるようだ。
開発の面では原料の供給不足や樹脂成型の難しさもあり、慎重姿勢を見せる企業もある。一方で、素材や成型技術の進展に伴って「昔ほどの価格差もなくなった」とする声もあり、市場定着はそう遠くはなさそうだ。
(阿)