《視点》ストック販売

2019/08/02 06:23 更新


 日本市場の消費不振が続くなか、中堅コンバーターが国内アパレル向けに仕掛ける動きが出てきた。20年春夏テキスタイル商談の本格化に伴って、上質でナチュラル感のある素材や意匠素材、機能素材にアパレルの関心が集まっている。

 レディス向けにイタリアや日本の産地でオリジナルの素材開発を進める企業では、「厳しい時こそ商機がある」とし、リネンのプリントや先染め、刺繍、綿ジャージーのプリントなどストック素材を広げて「勝負をかける」という。

 また、メンズカジュアルを得意としてきた企業では、「首都圏市場の伸びがまだまだ見込める」として人員を増強しながらナチュラル系のレディス需要の取り込みを狙う。綿複合やレーヨン複合のジャージーをはじめ、和紙複合のストレッチ織物や吸汗速乾機能の合繊もストック品番を増やし、1メートルから販売する体制が支持されている。

 各社の販売先は様々だが、来春夏展はいずれも活気に満ちており、「過去最高の来場者数を記録した」企業もあった。企画力とともにストック販売の優位性が例年以上に浮き彫りになってきた。

(阿)



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