リアルに触れる価値は高いのだろう。国内で最大級のハンドメイドマーケットサイトは毎春、出展作家を集めてリアルな販売イベントを開いている。今回は4回目。1000組が出展し、2日間で約3万人以上が来場した。通常はオンラインサービスなので、好きな作家に会える、作品に触れて買える価値は高くなるから、会場の熱気はうなずける。
会場の人の多さ以上に驚いたのは、ワークショップの盛況ぶり。参加料金1000円程度で、1コマ当たり30分から1時間あれば完成する手軽な企画が人気だった。最近では完成品の販売だけでなく、ワークショップで収益を上げる作家も少なくないようだ。準備に相応の労力はかかるが、材料をキットとして売るので、完成品の在庫は減らせるし、製作活動の負担が軽くなるというメリットもある。
そして何よりも、参加者にリアルな体験価値を直接提供することができる。評価されれば、ワークショップの参加者とオンライン販売が相乗的に増える。オンラインサービスがあってこそ成り立っているビジネスだが、商品の付加価値をより高める方法としてリアルな場の役割は大きい。
(嗣)