《視点》競争条件

2018/11/07 06:23 更新


 イオンのGMS(総合小売業)改革が、衣料品分野でも具体化した。専門大店「iC」(インナーカジュアル)を立ち上げたもので、分社化を目指す。姿形が見えたことで現場に伝わるようになり、何より消費者にアピールすることができる。

 SPA(製造小売業)としての分社化を目指す取り組みなだけに、変えているのは売り場だけではない。販促機能も取り込んでチラシも内部で作ることになった。商品のコンセプトに合わせた打ち出しが可能になったというが、さらに巨大なGMSの組織から抜け出すことも大きいという。

 何をするにも協議をする先が多いにもかかわらず、衣料品のことは優先されないことが縛りになっていた。チェーンストアとして効率を追求しているから、販促などの機能を集約するのは当然だが、それで消費者をとらえられるかは別の話。経営トップが商品、売り場のことを議題にする専門店との違いがそのまま力の差になっていたともされていたから、今回の改革は競争条件を合わせるものといえる。

 これまで改革といっても成果を出せずにきた状況を抜け出せるか。ハードルは低くないが、分社化に踏み出して挑む。

(光)



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