プラスチックごみの問題が世界的に注目を集めている。ウミガメの鼻からストローが抜かれるセンセーショナルな映像がニュースに流れ、スターバックスをはじめとした国内外の飲食チェーンは脱プラスチックストローに動き出した。
プラスチックを繊維にすれば合成繊維になる。合繊メーカーや合繊テキスタイルにかかわる人に話を聞くと、脱プラスチックが繊維にも飛び火しないかと心配する声が多い。
サステイナビリティー(持続可能性)の取り組みは大事だが、一方で客観的な事実や科学的なデータに基づく冷静さも必要だと感じる。海中に流出するプラスチックごみの多くは陸地から河川を通じて流入し、特にきちんと回収されない新興国からの量が膨大という。
今や身の回りのあらゆる製品にプラスチックが使われ、これなくして現代人の生活は成り立たない。プラスチックを悪者にして安易に排除するのではなく、新興国を含め、世界で回収・リサイクルを徹底し、そのためのコスト負担も分かち合っていくのが目指すべき方向ではないだろうか。
(恵)