《視点》期待感から警戒感

2018/08/24 06:15 更新


 前秋冬商戦は終盤になってコートが不足し、多くの企業が今年のコート拡充を計画した。しかし、今夏物商戦は8月になっても盛夏物の需要が落ちることなく、品薄が目立ったほどだ。一方、秋物は動かず、夏素材であっても秋色すら動きが悪い状況だった。

 秋物の出足の鈍さは最近なかったほどで、このことが今年のコートMDにも警戒感を生み出している。昨年は9月からアウターが動き出し、10月後半からコートの動きが目立った。そこで、今年も10月からコート商戦が本格化すると見て投入を早めるとともに、年明けの需要まで見込んで、積極的に仕込んで売り上げにつなげようというところが多い。それが秋物の需要が後ろにずれこんできたことから、期待が高かったコートの増産に不安感が強まってきた。

 秋物の動きはまだ本格化していない。気温は上下しているが、暑さは依然として続いている。秋物が売れ始めると、ある程度、アウターの判断を下しやすくなるが、このまま秋物がずれこむと秋冬商戦の先行きをどう読むかが難題だ。それぞれの強み、あるいは自信作を軸としつつ、仕込みの加減を調整していくことになるだろう。早く次の需要に移行することを願うばかりだ。

(武)



この記事に関連する記事