「日常を美しく、健康で過ごしたい」と願う消費者は年々増えている。特に激しい運動が苦手な人にも手軽にできるヨガ人気は、それを象徴する。「美と健康」ニーズは、生活スタイル全般を見直す契機となる。もちろん、現代人はここに「おしゃれであること」を求めるから、当業界にはチャンスが大いに広がっているだろう。
ところが、既存の売り場ではこの動きになかなか対応できていない。スポーツ専門店やスポーツ用品売り場は、あくまで「スポーツをしている人」向けの売り場作りに終始している。
美容系の売り場なども、従来客向けであることに変わりはない。求められているのは、「これからスポーツをしたい人」に、ファッションやライフスタイルの目線が入り込んだMDを組むことでは。
こう考えると、客層の中心が女性であり、スポーツも美容も健康系商品も取り扱う百貨店こそが、要望に応え得る小売りだと気付く。問題は組織の壁を越え、部門横断的な売り場を作ることができるかだ。
(潤)