スマートフォンを替えた。使用2年を超え、鈍い動作に耐えつつ使っていたが、「不自由を感じたら即機種変更すべし」と痛感した。特に電池消耗を全く気にせずによくなり、雑念から解放され、安心を手に入れた。
ただ、生活インフラ化したスマホは、選ぶ楽しみも、操作する喜びも、アプリを探す楽しみも格段に減退した。機種に頑丈や高速という個性はあれど、自分が使う機能は固定化し、SNSでのたわいない情報のやり取りも格段に減って、一種の成熟段階を迎えた。一時より電車でスマホをいじる人が減り、本を読む人が増えたようにも思う。
一方、アパレルも成熟はした。全世代が同じアイテムを着るようになって、違いは丈や色の合わせ方だけになったが、「個性」を発揮する上では、スマホが下降曲線となり、服がようやく上回ってきたかなと感じる。
その数日後、衣替えで出した短パンを「買い替えようかな」とつぶやくと、妻から「そんな短い丈を着る年齢じゃない!」と一喝された。意表を突かれたが、スマホよりも服は「年齢に合っているかどうか」も大事。だから複雑で楽しいものだとも気付いた。
(疋)