《視点》見過ごしてきたこと

2018/03/08 04:00 更新


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 「他社にできないものを生み出してこそ自社の価値がある」と経営トップは考える。

 ODM(相手先ブランドによる設計・生産)のサードオフィス(東京)は、製作したサンプルやそのパターン、素材などのデータが自社できちんと蓄積されていない問題に焦点を当てた。宅配物流ベンチャー企業と組み、過去に製作したサンプル情報をいつでも引き出せるシステムを構築し、取引先もみられるようにした。

 プレス向けショールームを運営し、SNSのインフルエンサーを多く抱えるツインプラネット(東京)と、同業のアイエント(東京)がファッション業界に貢献するビジネスを開始する。アパレルメーカーは小売り向けにサンプルを作るが、「没」になるものも多い。これに焦点を当て、没サンプルの中からインフルエンサーが商品をセレクトし、付加価値を付けて自分のフォロワーに紹介する。受注生産販売のECサイト「イン・チョイス」を通じて販売する。

 両社とも、これまで見過ごされがちだった無駄に焦点を当てて、新たなビジネスのチャンスとした。業界がこれまで当たり前のこととしてきたものを、客観的な視点で見直したからこそできたことだろう。(稔)



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