《視点》独自素材でチャレンジ

2018/03/07 04:00 更新


今年2月に東京・ヒカリエで行われた「京都知恵産業フェア2018」より

 京都の産地企業による商品開発と販路開拓の取り組みが活発になっている。東京ギフトショーの「あたらしきもの京都」のブースでは、金銀糸メーカーが純金の糸で作ったアクセサリーブランド、絞り染めメーカーが3Dプリンターで製作した型を使った板締めのストールなど、独自の素材や加工技術を応用した繊維製品が注目を集めた。

 東京での「京都知恵産業フェア」では、三軸織り組織の小物雑貨や立体感のある2重プリントの財布類をはじめ、素材や加工の面白さがバイヤーの目を引いている。

 独自素材は海外でも関心が高まっている。メゾン・エ・オブジェやアンビエンテなどの欧州の見本市では、手絞りやプリーツ加工に引き合いがあったほか、「米ニューヨーク展ではプリントがクールと評価された」「アジア圏からの問い合わせが増えている」という企業もあり、手応えが徐々に広がってきた。

 国際経済の不安や国内消費の不振など、経営環境は一段と厳しくなっているが、「他にない素材や技術」へのニーズは世界に広がっており、各企業の積極的なチャレンジに注目したい。




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