《視点》リュックの成長

2018/01/19 04:00 更新


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 11年3月11日の東日本大震災以降、バッグ市場に大きな変化が起こった。リュック・デイパック型カジュアルバッグが売れた。震災時、手提げバッグを使っていた高校生は教科書の入った重いスクールバッグを持ち、長い距離を徒歩で帰宅せざるを得ず、特に部活動する学生は苦労した。パソコンを携帯するビジネス市場でも男女を問わず同様だ。以後、リュックが伸びている。「格好よりも機能を重視」する意識変化だろう。

 矢野経済研究所の調査では11年以降、通学用バッグ、旅行用バッグが伸び、バッグ市場は13年度に1兆円規模に回復したとしている。バッグの所持個数もリュック型が2、3個、全部で10個は持つと言われる。震災後7年が経過しリュック・デイパックは機能向上で販売は微増だが、価格はほぼ横ばい状態だ。

 今、バッグは荷物の持ち歩きのためだけでなく、プラスアルファの付加価値が求められている。丈夫で軽い素材、防災市場への参入、充電器の搭載、一つのバッグで8通りの使い方ができるなど様々な商品開発が始まっている。ライフスタイルや働き方の変化、少子化と高齢化、自動車を持たない若者、働く女性などに向け、さらなる開発が求められている。(稔)




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