《視点》買い物の呪縛

2018/01/12 04:00 更新


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 自宅のクローゼットに、欲しくないけど買ってしまったという服はないだろうか。最近の取材で聞いた話をきっかけに、ふとそんなことを思った。女性が高級ブランドバッグを買うとき、せっかくだからたくさん荷物が入って飽きのこないデザインで冠婚葬祭でも使えるものをと考えて、大きな黒いバッグを選びがちなのだという。

 後悔を恐れていろんな〝保険〟をかけた結果、あまり好みではない服を買ってほとんど着ないという経験は自分にもあるので耳が痛い。売れている商品イコール消費者が本当に欲しい商品とは限らないし、場合によっては欲しい商品を買えていないことに本人すら気づいていないこともある。

 フリマアプリや定額レンタルなどのサービスが人気を集めている背景には、物の手放しやすさという理由もあるだろう。すぐに飽きそう、着回せないかもといった買い物に付きまとう呪縛を断ち切ることで、消費者の真のニーズが見えてくる気がする。(石)



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