《視点》危機感

2017/10/18 04:00 更新


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 「消費は底打ちをしたのではないか」とイオンモールの吉田昭夫社長。同社の17年3~8月連結業績が営業収益、営業利益ともに過去最高になったのは、海外事業が収益に貢献する段階に入りつつあるとともに、国内事業が伸びたことが大きかったことを振り返る。

 これは前期はマイナスだった国内既存施設の専門店売り上げがプラスに転じたことが大きいが、それを支えたのは来店客数の増加。ECとの競合が本格化するもと、SCでは〝来店動機〟の打ち出しが問われるようになっている。イオンモールでは、集客イベントの工夫や食分野を充実する改装など「来店頻度を高める」取り組みが成果につながった。「まずリアルの中で選ばれるようになっていないといけない」。ECへの危機感が業績を押し上げた形だ。

 もちろんECとの競合はさらに進むから、集客にこだわった在り方もさらに進めなければならない。食分野とともにエンターテインメント機能などを充実した、物販中心からの転換を引き続き追求するが、リアルとECの両方を使いこなす消費者に対して、SCに「便利なオンラインの機能を乗せる」ことを課題に掲げる。SCはさらに変化していきそうだ。

(光)



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