《視点》役割を「文字化」してみよう

2017/08/24 04:00 更新


 情報がネットで飛び交い、同質化しやすい今こそ「独自の仕事と提案をする」ことが問われている。そこで、自分や自社の立ち位置や提案コンセプトを定期的・具体的に「文字化」することをお薦めしたい。

 私たちは、日々新しいニュースに触れ、新しい出来事に目が行きがち。ファッション業界で例えると「トレンドや客の流れに振り回されている」といえる。トレンドや情報は大切な要素だが、トレンド商品をそのまま扱っても他店と代わり映えはしないし、独自の仕事や提案に近づかない。

 ある個店では、感覚的な店舗運営を見直し、伝えるコンセプト・街で提案する意味・対象客・取扱商品・サービスまでを具体的に文字にし、自店の役割を見つめ直した。取引メーカーはトレンドや売れ筋ばかりを押してくるが、個店がトレンドばかり発信しても、客が急増するわけではない。現実を直視し、自社に見合った完成形を論理的にイメージした好例と思う。

 文字化には一定の時間がかかるし、その後の「完成形を考えて、計画する」作業が実は重要。ある大手企業も各部署リーダーに店舗の理想形、そのために目指す品揃え、客とのコミュニケーションの有り様を、文字化してメーカーに伝えた。個人単位でもやりたいこと、伝えたいことを文字化することが、独自性を創り出す一歩になる。

(疋)



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