京都市左京区にある知恩寺は、普段閑散としている境内が毎月15日になると決まって買い物客らでごった返す。「百万遍の手作り市」として知られる、ハンドメイド品の即売イベントのためだ。
クリエイターやその卵、アマチュア作家らが簡易テントのブースを構え、オリジナルのアクセサリーや小物、洋服、手作りのケーキやパン、野菜など自慢の品を競い合う。
もともとは京都市内を中心に近隣客や学生らが訪れるイベントだったが、年を重ねるごとに認知度が高まって広域から集客し、今では観光バスも横付けされるほどになった。30年近く前に始まったというから、現在、全国各地で開かれている同様の「○○市」や「○○マルシェ」のはしりとも言える。
それにしても、今は何でもネットで簡単に手に入る時代。物販イベントにわざわざ足を運ぶ人がそれだけいるということは、そこではネットでは得難い体験ができるということだろう。ネット販売が全盛の時代、リアルの店作りのヒントもこんなところにありそうだ。
(恵)