《視点》世界規模の変化

2017/05/24 04:00 更新


 「1989年の冷戦終結は、繊維業界に大変な影響を及ぼした」と改めて感じる。羊毛の貿易でいえば、それまで豪州羊毛を大量に買い付けていたソ連は解体し、後継国のロシアは外貨不足で豪州羊毛の買い付けをストップ。これが引き金となって、豪州の最低支持価格制度撤廃につながった。

 一方でダウンは、最高級原料は旧東欧圏のハンガリーやポーランドから旧西側諸国に輸出されていた。東西の物価差は大きく、外貨稼ぎのためにハンガリーからは良質のダウンが供給されていたという。これも冷戦終結後のグローバル経済の進展に伴って、食肉価格に左右されるようになったダウンは、高品質原料が少なくなったそうだ。

 冷戦終結後の変化としては中国の登場も大きい。WTO(世界貿易機関)加盟後は中国が国際貿易に大きく躍り出て、全ての繊維原料について供給と価格の決定権を持つようになった。

 良いか悪いかは別にして、こうした世界規模の政治・経済の変化を注意深く見ることが改めて問われている。(浅)


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