社員が自社の経営者のことを褒めるのは気持ちが良いという話を、以前に書いたが、その続編というか派生版を書いてみる。
最近、ある高収益企業の人と話をする機会があった。その会社は、社員間の競争が激しく、これらが源となって全体の強みになっている。はたから見ていると、社内での生き残りが大変で、働き続けるのは難しいのではと思っていたが、案外そうでもないようだ。
話を聞いていると、端々に同僚へのリスペクト(尊敬)が感じられる。自分より好業績を残す同僚のことを「こんなにすごい奴がいる」と褒め語る姿は心地よい。うらやんだり、妬(ねた)んだりせず、「こんな優秀な人材がいるから、我が社は強い」という誇りさえ感じられた。
企業人は、会社全体が勝ち残ることが最優先だということを頭では理解していても、優秀な同僚をうらやみがち。妬んで足を引っ張ることも少なくない。ただ、そんな企業は全体の競争力が徐々に失われていく。妬んだり、うらやんだりする暇があれば、自分を高める努力をしないといけない。彼と話をしていて強く思った。(稲)