《視点》お直し

2017/04/18 04:00 更新


 専門店を取材していると、物作りの機能を持つ店、お直しや別注に対応している店は顧客が多く、地域に密着していて、経営も安定していると感じる。

 オーダーのかばん専門店として戦前に創業し、現在は仕入れ品とオリジナルを扱うある店は、〝職人の居る総合かばん専門店〟として人気。看板商品は素材からこだわり、国内の職人が手縫いで仕上げ、仕様が細かく選べる少量限定生産のランドセル。入学の1年前から注文が入り、初夏の頃から3世代で来店してサンプルを試し、商品を選ぶ客で週末は混み合うという。

 地元の役所や企業、学校からの記念品や指定商品など、オリジナル品の依頼も多く、地域を代表する店の一つだ。国内有力メーカー品の品揃えも充実しているが、「素材や仕立てが良く、丁寧な作りで壊れにくい商品しか扱わない」のが特徴。オリジナル品以外の修理も行うため、リピーターになり、長く通う客が目立つ。

 洋服でも、既製服はサイズが合わないと悩む客は多い。服を売るだけでなく、お直しや物作り機能を備えた店が増えてもいい。消費者も喜ぶし、顧客も増えると思うのだが。

(陽)



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