ベトナム繊維産業は、欧米市場の低迷の影響を受けて各段階の生産稼働率が大きく落ち込んでいる。ベトナムでポリエステルとナイロンを生産する台湾系合繊メーカー、フォルモサ・ケミカルズ・アンド・ファイバー(FCFC)は今年4月以降、ナイロンの生産を停止している。ホーチミン市ビンタン区に工場を構え同市最多の労働者を擁する台湾系靴製造大手、宝元ベトナムは全労働者数の約10%に当たる5700人を解雇した。ベトナム繊維・ファッション業界の厳しい現状にあって、その先を見通した戦略を描くのは蝶理ベトナムだ。
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ブルーチェーン戦略
蝶理ベトナムは「対欧米への輸出比率が高いベトナム繊維産業の環境配慮型生産インフラは、外資企業が中心に日本ではできないような設備投資が進んでおり、アジア地域において優れている」(佐久間功造蝶理ベトナム社長)として、同国での原料販売だけでなく、現地のサステイナブル(持続可能な)商材を扱う生地メーカーとの取り組みを強化しながら新市場を開拓する。
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