【聞きました】デザイナー ヴァネッサ・ブリューノさん

2019/05/28 06:26 更新


 「ヴァネッサブリューノ」が19年春夏、日本市場に戻ってきた。ヴァネッサブリューノといえば、日本ではアイコンのトートバッグ「ル・カヴァ」が有名だが、今回の日本進出ではフルコレクションをアピールする。デビューから20年以上が経過するなか、継続の秘訣(ひけつ)を聞いた。

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 96年のブランド設立当初、日本人はすぐにお客さんになってくれました。ビジネスがここまで大きくなったのは日本のおかげです。最近は日本市場で展開してなかったですが、これからはほかの都市と同様にスピーディーにフルコレクションを販売したい。もう一度、日本の消費者に知ってもらいたいです。

 旅をテーマにした新コンセプトの「ル・カヴァ・ヴォヤージュ」も柱の一つです。いろいろなものを入れて旅に出るという意味で、20年前に誕生したル・カヴァのテーマを展開しました。シーズンごとに一つの街に焦点を当てて、商品を提案します。今回はサントロペ。ブリジット・バルドーの影響で、赤白のギンガムチェックのサンダルやストローのかご、サマードレスなどが揃いました。

 一方、メインコレクションは、詩的なイメージをインスピレーション源にデザインしています。それは都会的でありながら、ボヘミアンなムードをたたえたパリの女性。ブランド設立当時から、イメージは変わりません。他のまねをせずに、自分は自分の道を。ファッションではなく、スタイルを作っている感じです。それを好んでくれるファンが、口コミで友達や家族に広げてくれる。〝ヴァネッサ・トライバー〟(ヴァネッサ族の意味)が幅広い層に増えているのを感じます。なので、市場の変化に対しても、特にインパクトは感じていません。

 売り上げは各分野で順調に伸びています。19年秋冬の受注額はヴォヤージュの始動を受けて、前年比20%増でした。ECも好調です。今後はさまざまな百貨店に期間限定店を出したい。近々ではパリのボンマルシェで夏に向かって300平方メートルくらいのヴォヤージュのポップアップをやる予定です。

ヴァネッサ・ブリューノさん


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