バッグメーカーのアンバイ(大阪市)が国内代理店を務める仏バッグブランド「コートエシエル」は、六本木ヒルズウエストウォーク4階に新店をオープンした。
同ブランドの国内での販売は08年から。ミニマルで使いやすいデザインと、リサイクルポリエステルによる生地「エコヤーン」などのサステイナブル(持続可能)な素材使いで注目されている。人気アイテムは、たすきのような形のバッグ(税込み2万7500円)だ。小松マテーレの廃棄されるタマネギの皮を使った染色「オニベジ」を採用したナイロン生地で作られており、広げるとスタンダードなショルダーバッグのような形で使うこともできる。
国内で4店目の直営店である新店の売り場面積は約65平方メートル。ベルリンに拠点を持つ有名デザインチームが手がけた、インダストリアルな雰囲気の什器で実験室のような内装に仕上げた。「これから強化していきたい期間限定店も、同じコンセプトの内装でいく。この店を出店先へのアピールの場にもしたい」という。
今後は六本木ヒルズ内という立地を生かし、ブランドのテイストと相性がいい、同館周辺のIT企業へ勤務するようなクリエイティブクラスと呼ばれる客層などへの拡販、認知拡大を進めていく計画だ。
素材の特性を生かす
ミニマルながら独創的な商品で人気を集めている、仏発バッグブランド「コートエシエル」。デザインへのこだわりや、日本との関係について、コートエシエルCEO(最高経営責任者)兼ディレクターのフローリアン・ビーツ氏に話を聞いた。
――コートエシエルはどんなブランドか。
バッグ主力のブランドですが、私はデザインブランドだと思っています。まず、デザインという行為が先にあり、それを落とし込むのに最適だと考えたのがバッグだったのです。
――デザインのこだわりは。
私たちのデザイナーは、素材の特性を生かすことを重視しながら、建築などの考え方を取り入れています。その結果、男性的だったり、女性的だったり、幾何学的だったりと、バリエーション豊かなアイテムを生み出していることがブランドの強みです。
――アプローチする客層は。
すべての人です。年齢や性別に左右されるブランドではありません。ただ、建築家やデザイナーといったクリエイティブな職業の人には、特に気に入ってもらえると思っています。
――日本へのメッセージを。
フランスと日本は、お互いに文化を交換してきた歴史があります。コートエシエルのデザインにも折り紙の要素を取り入れたものが多い。私たちのバッグはファッション性を意識した〝着られるバッグ〟だと考えています。ぜひ、多くの人に使ってほしいです。